スマホの冷却は、実は非常に大事で、費用的にもお得ということをご存じでしょうか。
まず、スマホを冷却すると、「バッテリーを長持ちさせる」ことができます。
また、バッテリーの「発火などの危険リスクを下げる」ことができます。
さらに、バッテリー以外の「スマホ部品(CPUなど)の劣化も抑える」ことができたり、「CPU処理速度を安定化させたりする」ことができます。
このように、冷却グッズを使うことで、電池交換回数を減らせたり、高価なスマホをより長く使い続けることに繋がり、実はお得なのです。
この記事は、大手電機メーカーにて長年電池の開発をしている私が、スマホの冷却グッズの重要性を知って頂くために書きましたので、参考いただけたらと思います。
温度が高いと、スマホの電池や、スマホ機器はどのくらい劣化する?
温度に対する電池の劣化
スマホの温度が上がると、どのくらい電池が劣化するかご存じでしょうか?
だいたいスマホ温度が15℃上がるごとに、電池劣化のスピードは2倍乗で早まると言われています。
これは、バッテリマネジメント工学の本にも記載されています。もちろん、充放電条件や電池材料や設計によって多少変わりますが、ベースとなる被膜形成モデルでの劣化モードの話となります。私がこれまで担当したリチウムイオン電池も温度に対しては同程度の劣化スピードでした。
また、電池の状態にもよりますが、充電中は+5~10℃、ゲームアプリなど負荷のかかるものを起動中は+10~15℃、スマホ内の電池温度はあがります。
このため、高い温度でずっとスマホを使用していると、電池寿命は半分~8割くらいに縮んでしまします。
一般的に、スマホ電池の寿命は、「500回の充放電、約1~2年」と言われていますが、それが高い温度で使い続けると「半年~1.5年」に縮んでしまうイメージとなります。
もしも、電池が減ってきて我慢できない場合は、正規の方法として、iphoneの電池をアップルストアで交換することができます。ただし、iphone-SEなどは5940円、iphone11などは8140円と高いです。
非正規の業者の場合は、3000~4000円程度となります。あと、自分で電池を購入して交換する場合は、2000~3000円程度が電池代の相場となります。
とはいえ、非正規や自分で購入する電池は、電池自体の性能が悪く、交換しても1年以内にすぐに電池が劣化してしまうことが多いです(私は、これまで自分で4回、電池交換したことがありますが、いずれも半年後にはすぐに電池がダメになりました)。
また、スマホ自体は4~5年が寿命と言われています。電池の寿命は1~2年のため、電池の減りを気にしないようにする場合は、2~3回は最低交換する必要があります。ゲームアプリなど長時間行う人は、もっと交換回数が増えることになり、費用や手間かかります。
あと、電池が減っても我慢して使い続ける場合は、充電回数が増えてストレスがたまるのと、電池が発火するなどの危険リスクが増えてしまします。
このため、冷却グッズで電池の劣化を抑制し電池交換頻度を下げることが、実は、最もお得で安全にスマホを使い続けることになります。
それを図にしたのが下記となります。
※スマホが熱いと、どんな危険リスクがあるのかについても、まとめています。ご興味がある方は下記の記事も合わせてお読みください↓
【スマホ 熱い】発火危険性やバッテリー劣化を電池技術者が解説します! (miya-mitsu.com)
温度に対するスマホ機器の劣化
同じように、温度が高いと、スマホ機器の電子部品(CPUやフィルタや回路素子)の劣化も加速します。スマホに搭載されている電子部品は種類が多いですが、樹脂や機械的な電極破壊を考えると、スマホ温度が10℃上がると、劣化スピードが2倍乗早まると言われております(10℃2倍則の原理)。
このため、スマホ自体の寿命が4~5年と言われていますが、電池が劣化してきて抵抗発熱すると、電池だけでなく、スマホ自体が想定よりも早く壊れてしまう可能性があります。このため、冷却グッズは、電池の寿命だけでなく、スマホ自体の寿命を長くするのにも役立ちます。
スマホ冷却グッズの種類、選び方
ここからは、スマホ冷却グッズの種類と選び方についてお伝えします。
まず、スマホ冷却グッズは、大きく分けると3つに分類することができます。
その3つを表にまとめたのが下記となります↓
■熱伝導タイプ
「熱伝導タイプ」は、熱伝導性の高い材料を用いて、スマホや電池の熱を吸収して、放熱するものです。スマホケースや、熱伝導シートといった商品があります。特に、急激にスマホの温度が上がった際に、熱を逃がしてくれるため、電池や電子部品の顕著な劣化を和らげてくれます。しかし、炎天下の中では、外気温よりも、スマホの温度を下げることができないため、冷却ペルチェタイプよりも効果は低くなります。電源などが不要で、常に装着できるため、初心者にはおすすめです。
・メリット:常に装着できる。電源など不要。最大温度を下げられる
・デメリット:外気温よりも温度を下げられないため、冷却ペルチェよりも効果は低い
■冷却ペルチェ(裏面装着タイプ)
「冷却ペルチェ (裏面装着タイプ) 」は、スマホもしくはスマホケースの裏面に、ペルチェ素子とファンがついたものを装着するものです。ペルチェとは電流を流す向きで、発熱したり吸熱したりできる素子のことです。冷却能力が高く、炎天下の中でも、外気温よりもスマホの温度を急激に冷ますことができます。また、商品自体に電源が付いていないため軽いですが、ケーブルでモバイルバッテリーや電源に装着が必要なため、ケーブルが邪魔となります。家でゲームを楽しむのに便利です。
・メリット: 冷却能力が高い。電源自体が付いていないため軽い。
・デメリット:電源ケーブルが邪魔。外出先で使うにはモバイルバッテリーが必要
■冷却ペルチェ(ホルダータイプ)
「冷却ペルチェ (ホルダータイプ) 」は、スマホもしくはスマホケースごと、冷却ホルダーにセットするものです。冷却ホルダーは、モバイルバッテリーに、ペルチェ素子とファンが付いたものです。外出先では、モバイルバッテリーとしても使えるため便利ですが、スマホ+ホルダーとなるため、重くなってしまいます。どちらかというと、家というよりは、外出先で役立つアイテムです。
・メリット:冷却能力が高い。モバイルバッテリーとして予備電池にも使える。
・デメリット:スマホ+ホルダーとなり、重たい
熱伝導タイプのおすすめ商品
用途①:長くスマホや電池を使いたい! (iPhoneユーザー)
熱伝導が非常に優れたスマホケースです。値段は7000円代と少し高いですが、このケースを装着することで、常にスマホや電池の発熱を放熱してくれるため、長くスマホと電池を使いたい人には、とてもオススメです。(このケースを常に装着しておき、ゲームなどを長時間する場合には、スマホケースの上から冷却ペルチェグッズを使用するのが最強の組み合わせです)
用途②:冷却シートを試してみたい!コスト重視!
値段が千円代と安く、何度も付けたり剥がせたりするので、冷却シートを試してみたい方にはおすすめです。若干、冷却能力は劣りますが、最大温度を低減できるのが良いです。
用途③:スマホケースは自分で選びたい人!
スマホケースは自分の好きなデザインにしたい方は、スマホケースとスマホの間に銅箔を貼ることで、熱対策もばっちりなオリジナルスマホケースを作ることができます。こちらは、厚み0.3mmの薄型銅Foilとなります。銅は熱伝導性が非常に高く、スマホの熱を放熱してくれます。見た目がほぼ銅箔色のため、見た目は悪いですが、スマホケースの裏側に貼ることで隠すことができるので問題はありません。
冷却ペルチェ(裏面装着タイプ)のおすすめ商品
用途:家で長時間、ゲームやアプリをする人!
家で長時間、アプリやゲームをする人は、軽くて静かな冷却ペルチェ(裏面装着タイプ)がオススメです。紹介する商品は3つあります。いずれも、価格3000円付近で、重さ50g程度、音も20dB~30dBと静かなものとなり、おすすめです。
1つ目の商品は私も持っています。なかなか使い勝手は良いです。
冷却ペルチェ(ホルダータイプ)のおすすめ商品
用途①:外出先でゲームやアプリなどを使いたい人!
外出先で ゲームやアプリなどを使う場合、軽い商品がおすすめです。ホルダータイプは電池も搭載されているため、重たい商品が多いですが、その中でも、155gと比較的軽い商品となります。また、モバイルバッテリーとしても5000mAhあるため、1回以上、スマホを充電することができます。
用途②:モバイルバッテリーとしても使いたい人!
冷却ファンだけでなく、モバイルバッテリーとしても使いたい方は、高容量のものがおすすめです。この商品は、6700mAhあるので、スマホであれば、約2回のフル充電をすることができます。外出先でも電池残量の心配をせずに、ゲームやアプリを長時間使用することができます。
さいごに
スマホの冷却グッズのおすすめを紹介させていただきました。
冷却グッズをうまく活用して、バッテリーの寿命を長くし、スマホ自体も長く使っていただけたらと思います。
他にも、電化製品のおすすめ商品を提案していますので、ぜひ、読んで頂けたらと思います↓
おすすめ商品 – みやみつブログ (miyamitsu) (miya-mitsu.com)